歯周病
歯周病とは
歯周病は、知らないうちに歯ぐきの骨がなくなる病気です。
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、
そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が「炎症」をおこし赤くなったり、
腫れたりします。それが進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の
境目が深くなり、歯を支える土台骨が溶けて歯が動くようになり、
最後は大切な歯を失ってしまいます。
また、近年の研究結果では、歯周病は狭心症・心筋梗塞・脳梗塞
・糖尿病・ガンなど、様々な疾患を引き起こす一つの原因とされております。
お口は全ての臓器の入り口です。
歯周病と全身疾患との関係
歯周病菌の作り出す物質が血液中に流れ、冠状動脈の壁を肥厚させ、血管がつまり動脈硬化を起こすのではないかと考えられており、心筋梗塞や狭心症を引き起こす原因となる。歯ぐきの健康な人にくらべ、2.8倍の危険率がある。
動脈硬化を引き起こすことが原因で起きる。
高齢の方では、物がうまく飲み込めなくなり、歯周病菌が肺に入ってしまい、増殖して肺炎を起こす。
インスリンの働きを抑える物質が歯周病の場所に大量に集まっているマクロファージという細胞から出されます。
また、肝臓の糖の分解を抑え、すい臓のインスリン分泌障害を起こすといわれます。
重症の歯周病の場合、軽症の人にくらべ、2年後に糖尿病が悪化している率が5倍高くなります。
脳卒中
肺炎
糖尿病
糖尿病とは
インスリン(栄養になる糖分を細胞内に取り込むようその細胞に指令を出す)の働きが悪いため、細胞が栄養不良になり体の抵抗力が落ちてしまう病気。
また、利用されない糖分が血液中にたまり、血管や神経に障害が出る。
50歳以上の15〜20%の方が糖尿病が強く疑われるといわれています。
心臓病
歯周病の進行
健康な状態
軽度歯周病
中度歯周病
重度歯周病
歯と歯ぐきのすき間(ポケット)もなく、歯ぐきがひきしまっている。
歯ぐきが赤く腫れ上がり、歯を磨いたりカタいものを食べると出血することもある。
ポケットの炎症が慢性化して、骨が溶けはじめる。口臭もあり、歯が浮いたような感じがする。
歯根を支えている骨がほとんど溶けてしまう。歯根が露出し歯のグラつきがひどくなる。
谷川歯科医院では、すべての患者様の初診時にカウンセリングや歯周病を含む検査を行っております。
「歯の健康は全身の健康」をコンセプトに、日々のブラッシングの指導やメンテナンスをおこなっております。
また、従来の治療に加え、最新のレーザー機器を使用した歯周病治療を行っております。
この治療は、従来の歯肉を切開する治療に比べ術後のダメージが少なく回復も早いので、
安心して治療を受けて頂けます。
歯周病治療の流れ
谷川歯科医院の歯周病予防・治療
歯周外科治療
GTR法(組織再生誘導法)
歯を支える歯周組織が炎症をおこし、それが進行すると、歯を支える骨が吸収されてしまいます。
※歯周組織とは、歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質の4つの組織の総称です。
吸収し、乏しくなってしまった歯槽骨は、歯周病が治っても、残念ながらもとのようには回復しません。
なぜなら、骨よりも歯肉のほうが回復するスピードが速く、本来骨が回復するはずのスペースが、
歯肉で埋まってしまうからです。
(余談ですが、骨の部分が少なくなった上に歯肉がかぶさってしまうので、歯周病にかかったことがある人は、
歯肉の位置が下がり、歯が長く伸びたように見えることが多いのです。)
歯を支える骨が乏しくなった状態では、インプラントの土台として十分でない場合があります。
そこで、歯周組織(骨)を回復するために行われるのが、GTR法です。
歯と歯肉の間をきれいに清掃して、その後、骨を再生したい部分に人工の膜を入れます。
膜で覆うことで、骨が回復するまで歯肉が入ってこないように、スペースを確保します。
土台となる歯周組織の状態が悪いために、インプラントができなかった人でも、歯周組織を回復することで、
インプラントが行える場合があります。
近年の研究で、歯周病がアルツハイマー型認知症と関係性を持つことが分かってきました。
マウスを使ったある実験では、歯周病のマウスはそうでないマウスに比べて、アルツハイマー病の原因となる
「アミロイドβ」の蓄積が面積で約2.5倍、量では約1.5倍多くなっていた、という結果報告もあります。
歯周病の原因菌が脳の炎症を引き起こしているとみられ、直接の原因ではないにせよ、アルツハイマー病の
発症に何らかの影響を与えているのは間違いないと考えられています。
口腔ケアで認知症を予防しよう
口腔ケアがもたらす効果のひとつとして、近年注目されているのが認知症予防です。
2010年に神奈川歯科大学が発表した研究報告によると、歯がなく入れ歯も使っていない人は歯が20本以上ある人に比べて、
認知症を発症するリスクが1.9倍も高くなっているのだそう。
さらに、「何でも噛める」高齢者は「あまり噛めない」高齢者と比べて認知症の発症リスクに1.5倍の違いがあることも
明らかになっています。
また、2008年には自然科学研究機構の研究者らが「噛む」という行為が脳を活性化すると報告しており、
顎を開けたり閉じたりする行為が脳に酸素と栄養を送ることからも、脳の認知機能の低下を予防する効果があると言われています。
他にも、記憶を司る「海馬」という組織の神経細胞が増加するとも言われています。
こうした研究からも分かる通り、健康な歯を維持していくことが、認知症の予防に有効なのです。
お口の中や歯の健康が、私たちの脳にいかに大きな影響を及ぼすかということがわかるのではないでしょうか?
歯を失うと認知症リスクが約2倍に
厚生労働省は、噛む能力が弱く、かかりつけの歯医者さんがない人ほど人治療になる確率が高くなる研究結果を発表しました。
歯が20本以上残っている人に比べて、歯の本数で入れ歯を使わない人の認知症リスクは1.9倍に、かかりつけ医院のある
人に比べて、ない人のリスクは1.4倍になるそうです。
歯周病が認知症リスクを高める?
歯周検査表の読み方
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